がんの治療法を研究して今まで健康そのものだった自分の父親が、急性白血病と診断されて入院した際に色々悩みました。
まず第一に、治るのかということを不安に思い、医療従事者である私にとって抗がん剤治療の辛さもある程度は理解しているつもりだけれど、父親にそれが耐えれるのか。どう励ませばいいのか。治療は半年間の入院を必要とするのですが、徐々に抗がん剤で弱っていく父親を見て、面会に行くのですら怖くなるくらい不安になったこともあります。

日々弱って行くのを時折面会に行くので見ていたのですが、なるべく日常の話をして、父親の弱音をしっかり聞いて受け止め、下手に励まさないようにしていました。励まされても辛いのは父なので…。
そのうち、父親が退院したらあれしたい、これしたい。というようになって、少し前向きになったので、それに合わせて私も前向きな会話をちょっとずつしていました。
また、半年のうち月に数日家に帰る日が設けられているのですが、その日に私も実家に帰省して、父親が車の運転ができないので代わりに運転して行きたいところに行ったり、気晴らしにドライブしたりしていました。
そうすることで、悲観的な考えも薄まり、治療して、家に戻って、そこからもし不安があれば考えようと思うことができました。
一番辛いのは父親で、それをそばで支えてたのは母親なので、なるべく二人に会いに行って話をして、一緒にいる時間を設けるようにしました。

悲観的に考えてしまうことも多いですが、不用意に励まさず、本人の辛さをうんうんと受け止め、本人が自ら少しでも前向きな会話をし始めたら、一緒に笑顔で語るのはいいと思います。弱って行く心の中で、家族や支えてくれる人の存在はとても大きく強いものだと思うので、そばにいる時間を少しでも持っているのがいいと思います。
自分自身も、悲観的になるし、どうしようどうしよう!と不安になることもあるけど、それを無理に隠さなくてもいいとも思います。
心配だなぁ、と。はやくよくなってほしい。元気な姿が見たいなあって本人に少しでも伝わるのも大切と思います。