乳がんの治療の為、入院したことがあります。何もすることがなくて非常に退屈だったこと、病院食が噂通りまずかったことなどいくつか思い出がありますが、その中でも特に印象に残っているのはトイレです。

入院中、私はずっと点滴を受けておりました。今思うとなんで自分で行かなかったのという疑問がありますが、当時の私は点滴がつながった状態で歩くのはよくないことだと思い込んでいたのです。

点滴を受けていると、水を飲まなくてもトイレに行きたくなります。母親が傍にいるときは母に頼めばいいので尿を出すのに支障はないのですが、問題は1人になったときです。身近に親しい人がいなければ看護師に頼むしかありません。「トイレに連れて行ってください」、このひと言を言うのが非常に恥ずかしいものがありました。

漏らすわけにもいかないので最終的には依頼することになるわけですが、トイレに行ったら行ったでまたここでも恥ずかしい思いをしました。それは、尿を出しているときの音です。同性ならともかく異性に聞かれるのは辛いものがあります。「早く終わってくれ」と思うときに限って、不思議となかなか止まらないものです。