7年前になります。風邪をひいて通院し、CT検査で初期の肺がんが見つかり、放射線治療のことも知りました。自分では影像が確認できない本当の初期で、外科手術で完治が見こめるとの診断でした。けれど、やはり自分が「がん」と言われてとても動揺しました。手術を受けることに決めましたが手術の日まで1ヶ月ほどの間、色々な事を考え、精神的にきつい日々でした。手術への不安もありましたし、万が一のことも考えずにはいられませんでした。それまで当たり前だった日常や庭の草木までもがいとおしく感じたのを思い出します。入院の日が決まり緊張の極みで病院に行きましたが、いざ入院してみると自分より、はるかに重い症状の患者さん達が多く皆さん前向きに闘病されている姿に接し、勇気づけられ心が随分軽くなりました。手術も無事終わり、直後は痛みに苦しみましたが、だんだんとやわらぎ普段の生活に戻り今日まで再発もなく暮らしています。考えてみると「がん」になって学んだことは大きかったと思えるのです。健康の有り難さ、自分の身体に対する思い、など。もちろん今こうして生きているからこそですから私は幸運だと感謝しています。